~前編~住宅ローンは相続財産?手続きは必要?税理士が解説します
2024.12.17
相続・事業承継
相続が開始して遺産を調査すると、借金などの負債が残されていることがあります。今回は、相続した不動産に住宅ローンが残っている場合、どのように対処すればよいか、また住宅ローン完済後はどのような手続きが必要になるかについて説明します。
住宅ローンの残債も相続の対象。まず団体信用生命保険の確認を
亡くなった人に借金などの負債があった場合、相続人はプラスとマイナスの財産の両方を相続することが原則となっています。
相続した不動産に住宅ローンが残っている場合、原則として法定相続人が法定相続分に応じて住宅ローンを承継することになります。
この場合、亡くなった人が団体信用生命保険(以下「団信」)に加入しているかどうかで、返済の要否が変わってきます。
団信とは、住宅ローンを契約するときに同時に加入する生命保険で、多くの場合はローン契約の条件として団信への加入が必須となっています。
団信に加入していれば、契約者が死亡したときには、団信から金融機関に住宅ローンの残額と同額の保険金が支払われ、住宅ローンの返済に充当されるため、相続人は住宅ローンを返済する必要がなくなります。
これに対し、団信へ加入していなかった場合は、住宅ローンは相続人が引き継ぐことになります。この場合でも、団信の代わりに生命保険に加入していたときは、その保険金を住宅ローンの返済に充てることができます。
団信や生命保険に加入せずに住宅を相続した場合には、相続人が住宅ローンを返済していく必要があります。
相続人に返済の手だてがなく、不動産を売却しても返済できる見込みがないときには、相続放棄を検討するケースがあるかもしれません。
ただし、相続放棄をするとマイナスの財産を引き継がなくて済みますが、プラスの財産も一切相続できなくなるため、慎重な判断が必要となります。
このように住宅ローンが残っていた場合、団信の加入の有無によって対応が異なるため、まず団信の加入の有無を確認することが重要です。
~後編~住宅ローンは相続財産?手続きは必要?税理士が解説します