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相続税を延納できる?2025年版|税理士が解説する分割納付制度と注意点

相続税を延納できる?2025年版|税理士が解説する分割納付制度と注意点

2025.11.22

相続・事業承継

相続税は、原則として申告期限(被相続人の死亡を知った翌日から10ヶ月以内)までに現金で一括納付する必要があります。しかし、相続財産の多くが不動産や非上場株式など、現金化が難しいケースでは、期限内に納税資金を確保できないことがあります。そんなとき活用できるのが、2025年11月時点ですでに施行中の「延納制度」です。本記事では、この制度の仕組み・利用要件・注意点・準備すべきポイントを解説します。


一括納付が難しいときに使える 延納制度の仕組みと要件

「延納制度」とは、金銭一括納付の支払いが困難な場合に、一定の要件を満たせば、相続税を最長20年間にわたって分割納付できる制度です。 国税庁+2国税庁+2

延納を申請するための主な要件

延納制度の対象となるためには、次の4つの要件を満たす必要があります。

  1. 相続税額が10万円を超えていること。 国税庁+1
  2. 納期限までに、金銭での納付が困難である理由があること。
  3. 納期限までに「延納申請書」を提出すること。
  4. 延納税額および利子税に相当する担保を提供すること(ただし、延納税額が100万円以下かつ延納期間が3年以下の場合は担保不要)。 国税庁+1

延納期間の目安

延納期間は、相続財産のうち不動産等の割合によって異なります。 国税庁+1

  • 不動産等割合75%以上の場合:動産に係る延納税額は10年、不動産等に係る延納税額は20年まで。
  • 不動産等割合50%以上75%未満の場合:動産10年、不動産等15年。
  • 不動産等割合50%未満の場合:延納税額全体5年以内。

ただし、実際の期間は「延納税額 ÷ 10万円を除して得た数(1年未満は切り上げ)」という計算が限度年数として適用される場合もあります。


「延ばせる=安心」ではない:利用時の注意点と準備すべきこと

延納制度を利用するうえでは、以下のような注意点・事前準備が必要です。

注意点

  • 延納中には「利子税」が課されます。利子税率は、相続財産に占める不動産等の割合に応じて設定されており、換金性が低い資産ほど長期延納が可能で利子税率が低めに設定される傾向があります。
  • 延納の担保として提供できる資産は、国債・地方債・土地・建物などに限られ、担保権の設定や処分禁止などがある財産は対象外となることがあります。第三者の財産を担保にできるケースもあります。
  • 延納申請をしても要件を満たさなければ「却下」されることがあります。申請前の準備・確認が重要です。

事前準備すべきこと

  • 相続財産の中身を早めに把握する:不動産・株式・預貯金など、資産構成を整理。
  • 納税資金の見通しを立てる:現金・預貯金だけで納付可能かを概算。
  • 生前贈与や生命保険の活用検討:納税資金確保の観点から早期準備が有効。
  • 専門家(税理士・司法書士)に相談:延納申請書・担保評価・控除・特例の適用可否など複雑な点をサポート。

まとめ:一括納付が難しいと感じたら、今から動くことが安心への第一歩

2025年11月時点、相続税の納税は原則「現金一括」が必要ですが、現実には現金化が難しい不動産や株式を相続財産に含むケースが増えています。そんなとき、延納制度を正しく理解し、早めに対応準備を進めることが重要です。納税資金不足で慌てる前に、資産の整理・制度確認・専門家相談を相続開始前から始めましょう。

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