相続で困らないための第一歩|今から始める財産の棚卸し
相続手続きや遺産分割をスムーズに進めるためには、生前の「資産の棚卸し」が極めて重要です。 あらかじめ棚卸しを行い、将来の相続財産を把握・共有しておくことで、相続人の負担を抑えられる可能性があります。
今回は、資産の棚卸しの基本ステップと、整理の際に意識すべきチェックポイントを紹介します。
資産の棚卸しの基本|整理すべき資産の全体像
元気なうちに資産の棚卸しを行うことは、相続対策の土台となります。 主な目的は、相続開始時に手続きを円滑に進めるための「情報の見える化」です。
また、資産の全体像を把握することで、生前贈与や遺言書作成の適切な判断材料になるほか、将来の認知症リスクや突然の入院に備えて家族が動ける状態を整えることにもつながります。
生前の棚卸しで整理すべき主な資産には、次のようなものがあります。
- 預貯金(ネット銀行を含むすべての銀行口座)
- 有価証券(株式、投資信託など)
- 生命保険・個人年金
- 不動産(自宅、土地、収益物件など)
- 現金・貴金属(タンス預金を含む)
- 借入金・保証債務(マイナスの財産)
- デジタル資産(電子マネー、暗号資産、各種アカウント)
棚卸しを効率的に進める4つのステップ
棚卸しは一度に完璧を目指さず、次のステップに沿って定期的に見直すことが効果的です。
- 口座や契約の一覧化 銀行名や証券会社名など、まずは最低限の情報を書き出します。
- 残高や契約内容の確認 通帳や契約書などの書類に基づき、現在の状況を正確に把握します。
- 書類の保管場所をまとめる 通帳や権利証などの重要書類の場所を決め、家族が迷わないようにします。
- 年1回の更新を習慣化する 資産状況は日々変動するため、誕生月や年末などに定期的な見直しを推奨します。
家族で共有すべき情報と管理のコツ
棚卸しを行ったあとは、その情報を家族で適切に共有することが大切です。 特に、以下の情報は相続発生時に探すことが困難な場合が多いため、優先的に伝えておくことが望ましいといえます。
- 主要な金融機関名と支店名(存在がわかるだけでも手続きの初動が早まります)
- ネット銀行・ネット証券の利用の有無(通帳がないため見落とされやすい資産です)
- 重要書類の保管場所(保険証券、不動産の権利書など)
- 固定資産税の納税通知書(不動産の評価を確認する際の重要な資料となります)
情報の共有にあたっては、以下の点に注意することで、より実効性の高い準備が期待できます。
- 口座の整理(断捨離):使っていない口座は解約し、管理する数を絞り込みます。
- デジタル情報の記録:スマホのロック解除やPCのパスワードなど、最低限のアクセス方法を書き残します。
- セキュリティへの配慮:共有する情報は必要最低限に留め、紛失や盗難のリスクを抑えた方法で保管します。
まとめ|早めの行動が家族の安心につながります
資産の棚卸しは、相続準備の第一歩であり、家族の負担を減らすための有効な手段です。 まずは保有資産を一覧化することから始め、少しずつ内容を具体化していくことをお勧めします。
なお、財産評価の適正性や、棚卸し結果に基づく具体的な節税対策については、個別の状況によって判断が異なります。 法改正などにより取り扱いが変更される可能性もあるため、専門的な判断が必要な場合は、実務に精通した専門家へ相談することを検討してみてください。
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