~前編~ 相続のプロが解説!「年末年始に家族で相続について話すメリット」
2023.11.01
相続・事業承継
財産を少しでも効果的に子や孫などに引き継ぐためには、生きているうちから相続対策を行うことが大切です。生前贈与は、その対策の一つとして活用されています。今回は、生前贈与の内容とメリット、生前贈与について事前に家族で話し合う必要性などを説明します。
生前贈与の基本は【暦年課税と相続時精算課税】
生前贈与とは、自分が生きているうちに財産を子や孫などに無償で引き継ぐことをいいます。
事前に財産を贈与することで相続税の課税対象となる財産を減らし、相続税を軽減させる効果があります。
しかし、財産を贈与すると、贈与を受けた人(受贈者)に原則として贈与税が課税されるため、受贈者にとっては相続で財産を受け取るよりも税金負担が大きくなることがあります。
そのようなときは、贈与税が非課税になる特例などを活用することで、税負担を抑えることができます。
贈与税の課税方法には、『 暦年課税』 と『 相続時精算課税』 の2種類があります。暦年課税は、受贈者が贈与を受けた財産が一人につき年間110 万円まで非課税(基礎控除)で、贈与税の申告も不要です。
暦年課税は、累進税率となっているため1年間に多額の贈与をする場合は贈与税の負担が重くなりますが、複数年に分割して贈与をすれば贈与税の負担が軽くなることがあります。
一方、相続時精算課税は、60 歳以上の父母または祖父母から18 歳以上の子または孫へ贈与する際に選択することができ、贈与者一人につき累計2 500 万円まで非課税(特別控除)となるものです。
特別控除額を超過した部分の贈与税の税率は一律20%なので、1年間に多額の贈与を受ける場合に、暦年課税に比べて贈与税の負担が軽くなる場合があります。
また、税制改正により、2024 年1月1日以後に贈与により取得した財産に係るその年分の贈与税については、暦年課税の基礎控除とは別に、贈与税の課税価格から基礎控除額110万円が控除されることになりました。2,500万円まで贈与税が非課税の【相続時精算課税制度】を利用しながら、年間110万円までが非課税となる【暦年課税】を併用することができるようになったという事です。
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