所有する土地を活用する方法として、自宅と賃貸住宅を一体化した賃貸併用住宅が注目されています。賃貸併用住宅は、家賃収入でローン返済の負担を軽減でき、さらに相続税対策としても効果があります。今回は、賃貸併用住宅の概要やメリットについて紹介します。
賃貸併用住宅とは?土地と住まいの有効な活用方法
賃貸併用住宅とは、同一の建物に自宅部分と賃貸部分を併設した住宅で、賃貸部分については、アパートなどの共同住宅、店舗や事務所などに利用することができます。
賃貸併用住宅は、自宅としてそこで生活しながら家賃収入を得ることができるのが特徴で、所有している土地に家を建てる、自宅を建て替える場合などに、土地と住まいを上手に活用する方法の一つとして注目されています。
賃貸併用住宅には、次のようなメリットがあります。
①所有している土地が自宅を建てるには広すぎる場合や、子どもが独立し夫婦で暮らすには家が広すぎる場合などに、賃貸併用住宅にすることで適切なサイズの自宅を建てることができます。
②自宅部分が50%以上の賃貸併用住宅は多くの金融機関で住宅ローンを利用でき、賃貸部分の家賃収入を充てることで返済の負担も軽減できます。
③要件を充足すれば住宅取得に対する不動産取得税の特例(1戸につき課税標準から1,200万円を控除)や住宅用地に対する固定資産税の特例(課税標準が200㎡以下は1/6、200㎡超は1/3に軽減)などが適用され減税につながります。
さらに、後編にてお伝えするように相続税対策の効果があります。
一方で、賃貸併用住宅は同じ建物に自宅部分と賃貸部分を併設するため、設計上の制約が大きく、一般の住宅と比べると売却や相続がしにくくなるなどのデメリットもあります。
賃貸併用住宅の検討にあたっては、こうしたメリットとデメリットを比較すると共に、自分のライフスタイルに合うか、資金計画に無理はないか、賃貸住宅の管理ができるか、将来売却する可能性はないかなどを確認することが大切です。
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