所有する土地を活用する方法として、自宅と賃貸住宅を一体化した賃貸併用住宅が注目されています。賃貸併用住宅は、家賃収入でローン返済の負担を軽減でき、さらに相続税対策としても効果があります。今回は、賃貸併用住宅の概要やメリットについて紹介します。
相続税対策や資産形成にも賃貸併用住宅を活用できる
前編でお伝えした通り、賃貸併用住宅は、相続税対策としても活用でき、相続税の負担を軽減する効果が期待できます。
まず、賃貸併用住宅は所有者の使用に制限があるため、相続税評価額が一般の住宅よりも低くなることがあります。
自治体によって異なりますが、要件を充足すれば、賃貸部分については借家権割合(現在は全国一律30%)が減額され、土地についても貸家建付地として借地権割合(地域によって異なります)に借家権割合を乗じた割合(借地権割合が50%であれば15%)が減額されます。
また、賃貸併用住宅の敷地は居住用部分と貸付事業用部分について、それぞれ一定の要件を満たせば、小規模宅地等の特例を適用することで相続税評価額を減額することができます。
具体的には、自宅部分は特定居住用宅地等として330㎡を限度に80%減額でき、賃貸部分は被相続人などの貸付事業用の宅地などに該当すれば200㎡を限度に50%減額できます。
そして、賃貸併用住宅は、家賃収入を得られるため、長期的な資産形成にも役立ちます。
住宅ローンの返済期間中は家賃収入を返済の一部に充ててローンの負担を軽減でき、ローンの返済完了後、家賃は毎月の収入となります。
この家賃収入は長期にわたって継続的に見込めるため、資産形成につながり、老後においては年金以外の安定した収入源として期待できます。
賃貸併用住宅は、節税効果や住宅ローンの利用などメリットがある一方で、設計上の制約が大きい、売却や相続がしにくいなどのデメリットもあります。
賃貸併用住宅を検討する場合には、これらのメリットとデメリットを比較して、自分に合った住まいづくりをするようにしましょう。
前編はこちらから↓