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相続税対策に有効!生命保険の活用法と非課税枠の仕組みを解説

相続税対策に有効!生命保険の活用法と非課税枠の仕組みを解説

2025.05.16

相続・事業承継

相続税の負担を軽減する手段として、生命保険の活用は非常に効果的です。生命保険には、非課税枠が適用される死亡保険金制度があるほか、受取人固有の財産となるため相続トラブルの回避にも役立つなど、さまざまなメリットがあります。

この記事では、生命保険を活用した相続税対策の基本的な仕組みや具体的な活用方法、注意点まで詳しくご紹介します。


生命保険は相続税対策に使える?基本的な仕組みと非課税枠

生命保険の死亡保険金は、法律上「みなし相続財産」として相続税の課税対象となります。ただし、すべてが課税対象になるわけではなく、相続人が受取人となる場合には、500万円×法定相続人の数分までが非課税になる特例があります。

この「死亡保険金の非課税枠」を活用すれば、現預金をそのまま相続するよりも相続税を抑えることができるため、節税対策として非常に有効な方法です。


生命保険を活用する3つのメリット

生命保険には、相続税対策以外にも以下のようなメリットがあります。

1. 遺産分割トラブルを防止

死亡保険金は受取人固有の財産となるため、遺産分割協議の対象になりません。あらかじめ受取人を指定しておくことで、特定の相続人に確実に資金を残すことができ、相続争いを回避できます。

2. 納税資金や葬儀費用の早期確保

生命保険金は、被保険者が死亡した後、比較的短期間で支払われます。そのため、納税や葬儀に必要な資金を速やかに用意できるのも大きな利点です。

3. 相続放棄しても保険金の受け取りは可能

相続を放棄した場合でも、生命保険の受取人に指定されていれば、保険金は本人の固有財産として受け取れます。ただし、この場合、非課税枠の適用は受けられないため注意が必要です。


生命保険を活用した具体的な相続税対策

ここでは、生命保険を使った代表的な相続税対策を3つご紹介します。

1. 非課税枠の有効活用

保険契約者と被保険者を被相続人、受取人を相続人とする契約を結ぶことで、非課税枠(500万円×法定相続人)を活かした節税が可能になります。現金で相続すると全額が課税対象となるのに対し、生命保険であれば非課税限度額まで相続税がかからず、大きな節税効果が見込めます。

2. 評価額の低い保険商品を活用

生命保険契約に関する権利は、原則として相続時点の解約返戻金相当額で評価されます。そこで、低解約返戻金型の終身保険などを活用すれば、相続財産としての評価額を抑えつつ、資産を遺すことができます

3. 保険料を贈与して節税

被相続人が贈与した資金をもとに、相続人自身が契約者・受取人となって保険契約を結ぶ方法もあります。贈与額を年間110万円の非課税枠内におさえることで、贈与税を回避しながら保険料を負担させることができ、相続財産を減らすことにもつながります。


注意点と専門家への相談の重要性

生命保険を使った相続税対策は非常に有効ですが、契約形態(契約者・被保険者・受取人の関係)によって課税対象や税率が大きく異なるため、適切な設計が必要です。また、相続税や贈与税に関する法改正への対応も欠かせません。

そのため、生命保険を使った対策を行う際には、税理士や保険の専門家に相談することが重要です。


まとめ:生命保険は相続対策において多目的に使える資産

生命保険は、相続税の節税だけでなく、遺族の生活保障や納税資金の準備、相続争いの回避など、さまざまな目的で活用できます。自分や家族の状況に応じて適切なプランを立てることが、相続対策を成功させるポイントです。

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