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生前贈与で相続税対策!早めの準備が将来の安心につながる

生前贈与で相続税対策!早めの準備が将来の安心につながる

2025.05.30

相続・事業承継

相続税対策の基本は、相続時に課税される財産を可能な限り減らしておくことです。
中でも「生前贈与」は、財産を事前に分配することで相続税の負担を軽減できる、有効な対策手段のひとつとして注目されています。

この記事では、生前贈与の基本知識から非課税制度の活用方法、注意点まで、相続対策として知っておきたい情報をわかりやすく解説します。


生前贈与とは?相続税対策としての仕組みを理解しよう

「生前贈与」とは、贈与者(財産を渡す人)が生きている間に、家族や親族などへ無償で財産を譲り渡すことです。
相続開始前に財産を移転することで、相続時の課税対象となる財産を減らせるため、相続税対策として広く利用されています。

ただし、生前贈与を受けた場合には、原則として受贈者(財産を受け取る側)に贈与税が課税される点に注意が必要です。
贈与税の税率は相続税より高くなる場合もあるため、計画的に非課税制度を活用することが重要です。


【非課税制度を上手に活用】贈与税の負担を抑えるポイント

生前贈与には、一定の要件を満たせば贈与税がかからない非課税制度があります。代表的な制度は以下のとおりです。

1. 暦年贈与(年間110万円まで非課税)

毎年1月1日~12月31日までの間に、1人あたり110万円以下の贈与は非課税となります。
家族に毎年少しずつ贈与することで、長期的な相続税対策が可能です。

2. 相続時精算課税制度(最大2,500万円の特別控除)

60歳以上の親や祖父母から、18歳以上の子や孫に贈与を行う際、最大2,500万円までの贈与に対して贈与税がかからず、それを超えた部分には20%の税率が適用されます。
この制度を選択すると、それ以降はすべて相続時精算課税制度が適用される点に注意が必要です。

3. 配偶者控除(最大2,000万円の非課税)

婚姻期間が20年以上の夫婦間で、居住用不動産またはその購入資金を贈与する場合、最大2,000万円までが非課税となります。
一度きりの適用となりますが、高額な不動産を無税で譲渡できる可能性があります。


その他の特例制度も活用しよう

下記の特例制度を活用すれば、さらに効果的な相続対策が可能になります。

  • 住宅取得資金の贈与:最大1,000万円(一定条件下)まで非課税
  • 教育資金の一括贈与:子や孫1人につき最大1,500万円まで非課税
  • 結婚・子育て資金の贈与:最大1,000万円まで非課税(制度終了予定の可能性あり)

これらの制度は一定の利用期間や用途制限があるため、活用の際は事前の確認が必要です。


生前贈与の注意点と計画的な進め方

生前贈与は、家族に確実に財産を引き継げる点や、相続トラブルの予防効果も期待できる反面、以下の点に注意が必要です。

  • 贈与税の申告・納税が必要な場合がある
  • 贈与後の財産管理・資産評価も重要
  • 相続発生前3年以内の贈与は、原則として相続財産に加算される

制度の選択や贈与額、時期などによって最適な対策は異なります。
税理士や相続専門家と相談しながら、生前贈与を戦略的に進めることが重要です。


まとめ|生前贈与は「早めの対策」が成功のカギ!

生前贈与は、相続税の節税対策として非常に有効な手段です。
非課税制度や特例制度を活用すれば、贈与税の負担を抑えつつ、相続財産を計画的に移転できます。

「いつかやろう」と思っているうちに、制度改正や体調変化でタイミングを逃してしまうことも。
早めに対策を始めることで、相続に関する不安を大きく軽減できます

ご自身の財産状況に合った対策を立てるためにも、まずは専門家へ相談してみましょう。

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