相続税を軽減するための対策は、基本的に本人が亡くなった後ではできません。
そこで今回は、相続税の軽減のために早めに取り組んでおきたい生前対策や、そのメリットについて説明します。
相続税を軽減するための生前対策には、主に次のようなものがあります。
①生命保険は契約の形態によって、死亡保険金を相続人が受け取るときに、一定の非課税枠があります。契約する際は、保険料の負担者・被保険者・受取人の設定の仕方に留意してください。
②死亡後3年以内に支給が確定した退職手当金を相続人が受け取るときにも、一定の非課税枠があります。経営者が、代表を退いても退職金を受給せず、役員として留まることで、この非課税枠を適用できます。なお、状況によっては、別の方法が有利になる場合もあるので注意しましょう。
③養子縁組を活用すれば、養子は法定相続人となるため、相続税の基礎控除額や、生命保険金と死亡退職金の非課税枠が増えます。ただし、民法上では養子縁組できる人数に制限がありませんが、相続税を計算する際の法定相続人として認められる養子の人数には制限があります。
生前対策を検討するメリット相続財産と税額を把握できる
④小規模宅地等の特例を適用できれば、一定の面積まで宅地の評価額を大幅に減額できます。適用の可否は、相続開始時の土地の利用状況、相続で誰が取得するか、申告期限までの居住や所有の状況などにより変わります。生前にこの特例の適用が可能かどうか確認しておくことが大切です。
生前対策を検討することには、次のようなメリットがあります。
1つめのメリットとして多くのケースで、相続財産のすべてを把握できることです。
2つめに相続税の概算納税額を把握できることがあげられます。
そして、財産把握と概算納税額に基づいて、必要な生前対策を検討することができ、新たに適用できる特例などを見つけることもできます。
相続税は、引き継ぐ財産が多ければ多くなるほど、負担が増える仕組みになっています。
そこで、先に紹介したこれらの方法を活用した生前対策により、相続税の評価額を軽減するように努めることが大切です。
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