大学非常勤講師も務める税理士が、開業、経営指導、相続に対応します

NEWSお知らせ

マンション相続税が激変!「時価の6割」新ルールと資産を守る3つの見直し術

マンション相続税が激変!「時価の6割」新ルールと資産を守る3つの見直し術

2026.04.09

相続・事業承継

かつて「タワマン節税」とも呼ばれた手法に対し、市場価格と相続税評価額の大きなズレを正すため、2024年1月に評価ルールが改正されました。 改正から1年以上が経過した今、あらためて新しい仕組みの要点と、今後の実務に与える具体的な影響を整理します。

評価額はどう変わった?新ルールの仕組みと上昇の背景』

これまでのルールでは、戸建て住宅の評価額が市場価格の約6〜7割だったのに対し、タワーマンションなどの高層物件では3〜4割程度に留まるケースが見受けられました。この格差が租税負担の公平性に欠けるとして、最高裁判所の判決などを経てルールが改正されるに至っています。

今回の改正で最も注意すべきなのは、いわゆる「タワマン」だけでなく、すべての区分所有マンションが対象になるという点です。

新しい計算方法では、主に以下の「4つの項目」から「評価乖離率(ひょうかかいりりつ)」を算出します。

  • 築年数(建物が建てられてからの年数)
  • 総階数(マンション全体の階数)
  • 部屋の所在階(所有している部屋が何階にあるか)
  • 敷地持分狭小度(建物の床面積に対して土地の持ち分がどれだけ狭いか)

この計算によって導き出された評価額が、市場価格の「6割」に満たない場合は、自動的に6割に達するまで評価額が引き上げられる補正が行われます。

そのため、都心の高層階にある敷地が狭い築浅物件ほど評価額が上がりやすく、逆に地方の低層階で築年数が古い物件などは、大きな影響を受けにくい傾向があります。

タワーマンションを下から見た画像

2024年以降の相続対策|改正を踏まえた「3つの見直しポイント」』

評価ルールの変更に伴い、これからの不動産を活用した相続対策は、これまでとは異なる視点での再考が推奨されます。具体的には、以下の3つのポイントに着目することが大切です。

ポイント1:節税目的から「資産価値重視」への転換

マンションを活用することで、現金や有価証券のまま保有するよりも税負担を抑えられる可能性自体は依然として残っています。しかし、「購入すれば一律で大幅な節税になる」という単純な図式は通用しづらくなりました。今後は、立地や収益性といった物件そのものの本質的な価値を見極めることが求められます。

ポイント2:想定外の「納税資金不足」への備え

改正によってマンションの評価額が数千万円単位で上昇するケースも考えられます。これにより、事前に想定していた納税資金が不足するリスクが生じます。手元の現金だけで納税が難しいと予想される場合は、生命保険の活用や、他の資産の早期売却なども視野に入れた計画の見直しが有効です。

ポイント3:遺産分割における「分けやすさ」の再検討

不動産を複数人で引き継ぐ場合、将来のトラブルを避けるために安易な共有名義での相続は避けることが望ましいといえます。評価額が大きく変動する今だからこそ、遺産分割協議の段階で「誰がどの物件を単独で引き継ぐか」を冷静に話し合っておくことが大切です。

まとめ|最新の評価額をもとに正しい予測を

新しい評価ルールの導入により、相続対策の常識は大きく変化しました。一方で、「時価の6割」という明確な基準が設けられたことで、将来の納税予測が立てやすくなったという側面もあります。

路線価の公表や市場の価格変動に合わせて、定期的に所有マンションの評価額を見直すことが、確実な資産承継につながる場合があります。 なお、具体的な評価額の計算や対策の実行に際しては、個別の物件状況によって取り扱いが異なるため、実務に精通した専門家へ相談することをお勧めします。

他の相続・事業承継のブログはこちらから

pagetop