~後編~住宅ローンは相続財産?手続きは必要?税理士が解説します
2024.12.24
相続・事業承継
相続が開始して遺産を調査すると、借金などの負債が残されていることがあります。今回は、相続した不動産に住宅ローンが残っている場合、どのように対処すればよいか、また住宅ローン完済後はどのような手続きが必要になるかについて説明します。
住宅ローンを完済したら抵当権の抹消登記の手続きを
住宅ローン契約の際、通常は担保として不動産に抵当権設定登記がなされます。
この登記は、住宅ローンを完済しても自動的には抹消されないため、抵当権抹消登記の手続きをする必要があります。
その登記手続きをしなくてもそのまま住み続ける分には問題ありませんが、売却やリフォームのための新たな住宅ローンを組む際に支障が生じることがありますので、住宅ローンを完済したら速やかに抵当権抹消登記の手続きをしましょう。
抵当権の抹消登記手続きの流れは、次の通りです。
住宅ローン完済後、金融機関から抵当権抹消登記に関する書類が交付されます。
その後、抵当権抹消登記申請書を作成、必要書類を準備し、法務局に持参または郵送して申請します。
必要な書類は、登記済証または登記識別情報と金融機関から送付される弁済証書(もしくは解除証書)、抵当権抹消登記の委任状、金融機関の資格証明書などです。
抵当権の抹消登記の申請の際は、不動産1個につき1,000円の登録免許税が必要です。
なお、抵当権抹消登記は、自分で手続きをするほか、専門家である司法書士に依頼することもできます。
司法書士に依頼すると、費用はかかりますが、時間や手間がかからず、確実に抵当権抹消登記をすることができます。
不動産を相続したときは、住宅ローンや保険の状況について確認することが大切です。
保険に加入していれば保険金を住宅ローンの返済に充てることができるため、住宅ローンが残っているからといって、早まって相続放棄をしないように注意しましょう。 また、住宅ローンを完済したら、忘れずに抵当権抹消登記の手続きを行いましょう。
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