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【年間110万の枠も要注意】贈与契約書がないと怖い税務調査と「4つの必須記載項目」

【年間110万の枠も要注意】贈与契約書がないと怖い税務調査と「4つの必須記載項目」

2026.05.21

相続・事業承継

生前贈与は、あげる側の「無償で譲る」という意思と、もらう側の「ありがたく受け取る」という合意があって初めて成立する、立派な「契約」です。
法律上、贈与は口頭の約束だけでも成立しますが、書面が残っていない贈与は、実際に財産が移る前(履行前)であれば、いつでも一方的に取り消すことができてしまいます。
今回は、後々のトラブルや税務署からの指摘を防ぐための「贈与契約書」の重要性と、作成時に外せない実務のポイントを解説します。

『なぜ必要?贈与契約書を作成する3つのメリット』

「家族の間だから契約書なんて大げさだ」と考えて書面を作らないケースは多いですが、実務において契約書を残しておくことには、主に以下の3つの大きなメリットがあります。

  1. 税務調査での「強力な防衛策」になる 税務署から「亡くなった方の名義預金(名前を借りているだけの口座)ではないか」「申告漏れの隠し財産ではないか」と疑われた際、贈与の時期や金額、当事者の合意を客観的に証明できる唯一の証拠になります。
  2. 贈与の事実を法的に裏付けられる 口約束だけでは、万が一のときに贈与の事実を証明できず、贈与そのものが無効と扱われてしまうリスクがあります。契約書があれば、法的に正しい手続きが行われたことを堂々と主張できます。
  3. 身内の感情的なトラブルを未然に防ぐ 将来、遺産分割協議を行う場面で、「あのとき内緒で大金をもらっていたはずだ」「聞いていない」といった誤解や不信感が親族間で生まれるのを防ぎ、円満な承継に寄与します。

『失敗しないための実務ポイント|「4つの必須記載項目」』

贈与契約書を作成する際は、内容の曖昧さをなくすために、以下の4つの項目を確実に盛り込む必要があります。

  • 項目1:いつ(契約日・実行日) 贈与の約束を交わした日付や、実際に財産を移動させる日を明記します。
  • 項目2:誰が/誰に(当事者の特定) あげる側(贈与者)と、もらう側(受贈者)の住所・氏名を正確に記載します。
  • 項目3:何を(財産の内容) 現金であれば「金〇〇万円」、不動産であれば登記簿通りに「所在・地番・家屋番号」などを正確に記述します。
  • 項目4:どのように(受け渡し方法) 「受贈者が指定する銀行口座へ振り込む方法による」といった、具体的な移動手段を定めます。

契約書は必ず2通作成し、お互いが自筆で署名・捺印(実印が推奨されます)をした上で、それぞれが1通ずつ大切に保管します。

相続関係を説明する家系図と現金のイメージ画像

『現金贈与を行う際の「3つの追加ルール」』

特に現金を贈与する(暦年贈与の非課税枠などを活用する)場合には、契約書を作るだけでなく、以下の実務的なルールも合わせて徹底することが大切です。

  • ルール1:手渡しではなく「銀行振込」を徹底する 契約書と合わせて、通帳に「お金が動いた足跡(履歴)」を残しておくことで、税務署に対する証拠能力が格段に高まります。
  • ルール2:贈与の「都度」契約書を作成する 毎年贈与を行う場合でも、過去の契約書を使い回さず、その年の贈与ごとに新しい日付で契約書を交わす必要があります。
  • ルール3:「定期贈与」とみなされる文言を避ける 「毎年100万円を10年間にわたって贈与する」といった書き方をすると、最初から1,000万円を贈与する約束(定期贈与)をしていたとみなされ、一時に高額な贈与税が課されるおそれがあります。「今年の分の贈与として〇〇万円を贈る」という独立した表現を心がけましょう。

『まとめ|「安心の証明書」を正しく残しましょう』

贈与契約書は、単なる形式的な書類ではなく、贈る側と受け取る側の双方の権利と財産を守るための「安心の証明書」です。 正しい書面の作成と、透明性の高い記録の積み重ねこそが、将来の確実な税務対策と円満な相続への近道となります。

なお、具体的な契約書の文面や、複数年にわたる贈与プランの組み方については、個別の状況によって最適な税務判断が異なります。不安な点がある場合は、実務に精通した専門家へ事前に相談することをお勧めします。

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