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【相続】法務局が遺言を預かる「保管制度」3つのメリットと死後の通知機能

【相続】法務局が遺言を預かる「保管制度」3つのメリットと死後の通知機能

2026.07.21

相続・事業承継

手軽な反面、紛失や改ざんのリスクがある自筆証書遺言。その弱点を克服するために始まった「自筆証書遺言書保管制度」の仕組みを解説します。家庭裁判所での検認が不要になるメリットや、死後に家族へ自動で知らせる通知機能、実務上の注意点を専門家が紹介します。

【相続】法務局が遺言を預かる「保管制度」3つのメリットと死後の通知機能

自分で手書きして作成する「自筆証書遺言」は、費用をかけずにいつでも作成できる手軽さがある反面、紛失や破棄、改ざんといったリスクが常に付きまといます。

こうした自筆遺言のデメリットを解消し、安全性を飛躍的に高める仕組みとして運用されているのが、法務局が遺言書を預かる「自筆証書遺言書保管制度」です。

今回は、この制度の仕組みと、残された家族の負担を減らすための実務的な活用法について解説します。

紛失・無効のリスクを防ぐ!保管制度「3つのメリット」

自筆証書遺言書保管制度とは、遺言書を作成した本人が直接法務局に赴き、手続きを行って遺言書を安全に公的機関に預ける仕組みです。

この制度を利用することで、実務上、以下の「3つの大きなメリット」を得ることができます。

  1. 紛失や改ざん、隠匿の危険性がなくなる 預けた遺言書は、法務局において原本とデジタルデータの両方で厳重に管理されます。そのため、自宅で保管する際につきまとう「紛失」や、発見した親族による「破棄・隠匿・改ざん」といった心配がほぼゼロになります。
  2. 形式不備による「無効化」を防げる 手続きの際、法務局の遺言書保管官が、日付の有無や署名・押印など、法律(民法)で定められた必須の形式要件を満たしているかを外形的にチェックしてくれます。そのため、「書き方のルールを間違えていて、死後に遺言書が無効になってしまった」という最悪の事態を回避しやすくなります。
  3. 家庭裁判所での「検認手続き」が不要になる 通常の自筆証書遺言の場合、亡くなった後に家庭裁判所で「検認(けんにん)」という、遺言書の存在を確認する数ヶ月がかりの手続きを経なければ、預金の解約や不動産の名義変更に使えません。しかし、この制度を利用していれば検認が完全に免除されるため、相続人は死後すぐにスムーズな手続きに移ることができます。
相続関係を説明する家系図と現金のイメージ画像

遺言を迷子にさせない「死亡時通知機能」と実務上の注意点

せっかく遺言書を書いても、残された家族がその存在に気づかなければ意味がありません。この制度には、そうした事態を防ぐための便利な機能が備わっています。

  • 家族へ自動で知らせる通知システム 遺言者が亡くなったことを法務局が確認した際、あらかじめ指定しておいた特定の相続人や親族に対して「法務局に遺言書が保管されています」という旨を自動で知らせてくれる通知機能が用意されています。これにより、遺言書が誰にも見つけられずに放置されてしまうリスクを防ぐことが可能です。

一方で、実務上は以下の「確認の限界」に関する注意点も押さえておく必要があります。

  • チェックされるのは「見た目(形式)」だけ 法務局が確認してくれるのは、あくまで日付や押印などの「形式的な不備」があるかどうかだけです。「遺言者に十分な判断能力(遺言能力)があったか」や、「他の相続人の遺留分を侵害していないか」といった、遺言書の中身(内容)の有効性や妥当性までは保証してくれません。

まとめ|賢く利用して、公正証書並みの安心感を

法務局の遺言書保管制度は、非常に低コストで利用できるにもかかわらず、公証役場で作成する「公正証書遺言」に近いレベルの安心感や確実性を得られる、極めて優れた仕組みです。

手書きでの遺言書作成を検討されている場合は、必須の選択肢として視野に入れておくことが推奨されます。

ただし、先述の通り内容のトラブルを防ぐためのチェックは行われないため、実際に法務局へ預ける前に、遺言書の文面や財産の分け方に問題がないか、あらかじめ実務に精通した専門家へ相談し、中身を精査しておくことが確実な資産承継への近道となります。

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